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アガリクスとは

アガリクスとはハラタケ属のキノコの総称で、広く市販されているアガリクス茸というものはありません。
市販されているものはカワリハラタケまたはヒメマツタケと呼ばれるもので、学術名をアガリクス・ブラゼイ・ムリルといいます。
この学術名を略してアガリクス茸と呼ぶようになったと思われます。
ちなみにマッシュルームの学術名はアガリクス・ビスポルスと呼び、カワリヒラタケと同じハラタケ属に属します。
アガリクスが注目されるようになったのは1980年代から主に日本で研究が行われるようになってからです。
培養細胞や実験動物による基礎研究で腫瘍を抑制する効果や免疫力を高める効果が示唆されました。
この効果はβ-D-グルカンと呼ばれる多糖類が作用していると考えられています。

アガリクスは医学的に効果が認められているのか

アガリクスに関する学術論文を検索すると約70件の論文が報告されており、このうちのほとんどは培養細胞などを利用した基礎研究に関するものです。
基礎研究では有効であっても実際に治療として有効であるかどうかはまた別の問題であり、実際の治療には副作用が問題となり利用できないことは医学では時々あることです。
つまり実際にがん患者に対する効果が認められなければ、がんに対するアガリクスの医学的根拠とはいえないのです。
がん患者に対するアガリクス投与に関する研究ではわずか2件の論文が報告されており、食欲、抗うつ、不眠に対して改善が見られたこと、一部の免疫機能に関して改善が認められた他はアガリクスの効能は認められませんでした。
培養細胞などの腫瘍を抑制する研究結果はいくつか報告例がありますが、実際にがん患者に対する投与ではがんの進行を抑える、生存率が高くなるという研究例はありません。
(2007年の時点では)
残念ながら現在のところ、がん治療に対してアガリクスに効果があるとはいえません。

アガリクスの副作用

アガリクスを服用したことによる副作用として報告されているものは腹部膨満感と下痢、発疹です。
腹部膨満感と下痢はアガリクスに含まれる食物繊維が原因と考えられます。
発疹はアガリクスによるアレルギーと思われますが、抗アレルギー剤やステロイド剤などが効かなかった例も1件報告されています。
他にもアガリクスが原因と思われる副作用に肝障害があります。
肝障害が見られた患者の中にはがん治療を中止せざるを得ない状況になり、容態が急変して死亡にいたるケースがありました。
アガリクスをやめてめ肝障害が回復しないケースもあり、肝障害とアガリクスの関係は明確ではありません。

アガリスクまとめ

アガリクスは基礎研究レベルではがん抑制に効果が期待できるものの、医学的にがん患者に対して効果があるという根拠は今のところありません。
しかし、効果がないという根拠もありません。
アガリクスに関する研究が盛んになりすでに20年以上がたちますが、依然としてがん抑制に対する評価が定まらないという状況です。

国立琉球大学の教授が開発した沖縄もずく由来フコイダン

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