がんの治療法について
内視鏡療法
内視鏡療法とは、内視鏡を利用して病変部を観察しながら病巣の切除や焼却、狭窄部の拡張などを行う治療方法です。
内視鏡は長い管の先に特殊なカメラを装着したもので、以前は体内の病変を詳細に観察し、記録することが目的でした。
近年になり内視鏡で観察しながら組織を採取する生検(せいけん)技術が開発され、さらに内視鏡治療へと発達しました。
内視鏡を利用することで体内のほとんどの臓器の観察が可能のなりましたが、残念ながら観察することができる全ての臓器が内視鏡療法の対象ではありません。
おもな内視鏡療法の対象は消化管(食道、胃、小腸、大腸)、腹腔内蔵器(胆のう、虫垂、ヘルニア)、胸くう、膀胱、関節などです。
内視鏡治療の長所は体を傷つけることがすくなく、比較的苦痛がなく治療をうけることができます。
また治療後は比較的早く社会復帰が可能です。
開腹手術に比べると治療費が安く、経済的な負担が軽くなります。
しかし内視鏡治療は全てが対象となるわけではなく、また開腹手術と比べると偶発症といわれる治療中に突然おこる異常な状態の頻度が少し高いことが欠点です。
偶発症として多いのが出血や穿孔です。
このため内視鏡治療では医師から十分な説明を受け、同意することが必要です。